旋盤の種類を一覧で比較|汎用・NC・タレットの特徴と用途

汎用旋盤・NC旋盤・立旋盤・複合加工機など旋盤の種類を比較できる金属加工工場 金属加工

こんにちは、切粉ラボ運営のMakaです。

旋盤と一口に言っても、汎用旋盤、NC旋盤、タレット旋盤、自動旋盤、立旋盤、複合加工機など、用途の違う機械がいくつもあります。

さらに最近では、Y軸やB軸を備えた複合加工機、2主軸・2タレット仕様、大型ワークに対応した機械まであり、カタログだけを見ると「結局どの旋盤を選べばいいのか」が分かりにくくなりがちです。

私自身、設備導入や工程立案に携わる中で感じるのは、旋盤は機械の新しさや軸数だけで選ぶものではないということです。単品なのか量産なのか、丸物だけなのか横穴も必要なのか、何回つかみ直すのか。

キリコン
キリコン

ここを見ると、必要な旋盤がかなり見えやすくなりますよ。

  • 汎用旋盤・NC旋盤・タレット旋盤の違い
  • 大型旋盤や立旋盤が向いているワーク
  • 5軸旋盤や複合加工機でできる加工
  • 形状・数量・工程から旋盤を選ぶ考え方
汎用旋盤、NC旋盤、立旋盤、複合加工機の違いをイメージできる日本の工場内の旋盤設備風景
旋盤には汎用旋盤、NC旋盤、立旋盤、複合加工機などがあり、用途によって使い分けます

旋盤の種類を一覧で比較

まず、代表的な旋盤機械を一覧で比べてみます。名称だけ覚えるよりも、「何を加工するための機械なのか」を見るほうが実際の使い分けを理解しやすいです。

旋盤の種類 主な特徴 向いている用途 生産イメージ
汎用旋盤 ハンドル操作を中心に加工 単品、補修、試作、教育 少量
NC旋盤 プログラムで軸を自動制御 一般部品、繰り返し加工 少量~量産
タレット旋盤 複数工具を順番に切り替える 同形状の連続加工 中量~量産
自動旋盤 材料供給から加工まで自動化しやすい 小径シャフト、ピン、量産部品 量産
立旋盤 主軸が縦方向でワークを載せる 大径、重量物 単品~中量
大型旋盤 大径・長尺ワークに対応 大型シャフト、ロール、設備部品 単品~少量
ターニングセンタ 旋削に回転工具加工を追加 横穴、平面、溝を含む丸物 少量~量産
複合加工機 旋削とミーリングを一台に集約 工程数の多い複雑部品 少量~量産
5軸制御複合加工機 直線軸と回転・傾斜軸を組み合わせる 複雑形状、高工程部品 少量~中量

実際の工作機械にはさらに多くの仕様があります。同じNC旋盤でも1タレットと2タレット、1主軸と2主軸では工程の作り方がかなり変わりますし、同じ立旋盤でも加工できる直径や重量は機種によって大きく異なります。

現在の工作機械メーカーを見ると、横形CNC旋盤、立形CNC旋盤、複合加工機、5軸制御機など幅広い機種が用意されています。(出典:オークマ「製品情報」)

旋盤の種類を見るときは、機械名称より「ワークをどうつかみ、どの工具を動かし、何工程を一台で加工できるか」を見るのがポイントです。

基本はワークを回して削る機械

旋盤は基本的に、チャックなどでつかんだワークを回転させ、バイトを当てて材料を削る工作機械です。外径、内径、端面、溝、テーパ、ねじなど、回転体形状を作る加工に向いています。

硬い鉄などの金属でも、材料、工具、機械剛性に合った条件を設定すれば切削できます。技能や設備条件にもよりますが、現場では0.01mm単位を意識しながら寸法を追い込む場面も珍しくありません。

ただし、機械が高性能だから自動的に寸法が出るわけではありません。チャックのつかみ方、ワークの突き出し、工具の突き出し、切削条件、刃先摩耗、熱など、多くの要素が加工結果へ影響します。

用途によって機械構成が変わる

例えば、丸棒から外径と端面だけを削るなら一般的なNC旋盤で十分な場合があります。一方、その部品に横穴やキー溝が追加されると、通常の旋盤だけでは完結できず、別の加工機へ移す必要が出てきます。

そこで回転工具を搭載したターニングセンタや複合加工機が候補になります。

加工できる機能を増やすほど便利になりますが、機械価格だけでなく、プログラム作成、工具管理、干渉確認、保守など考えることも増えます。「できることが多い機械=自社に最適な機械」とは限らないわけです。

汎用旋盤の特徴と用途

汎用旋盤は、作業者がハンドルを操作しながら刃物台を動かして加工する旋盤です。NC旋盤が普及した現在でも、試作、補修、追加工、教育などで活躍しています。

汎用旋盤は単品加工に向く

汎用旋盤の良さは、その場で加工状態を確認しながら操作できることです。少し削って測定し、さらに数百分の数mm追い込む、といった加工を柔軟に進められます。

例えば、設備修理でシャフトを1本だけ作る場合や、既存部品を少し追加工したい場合。NCプログラムを作成し、工具を登録し、原点を設定するより、汎用旋盤ですぐ加工したほうが早いケースがあります。

そのかわり、作業者の技能が加工結果へ出やすい機械でもあります。送り、切込み、仕上げ代、測定のタイミングまで人が判断するため、経験が必要です。

キリコン
キリコン

汎用旋盤の職人さんの技能伝承が課題です。。。

旋削の基礎を学びやすい

日本人作業者が汎用旋盤で手動操作を行いながら加工している実写風イメージ
汎用旋盤は、単品加工や基礎技能の習得に向いた代表的な旋盤です

私は、NC旋盤を使う人にも汎用旋盤の技能は役立つと考えています。汎用旋盤では、切込みを増やしたときの負荷、送りを変えたときの加工面、工具が摩耗したときの変化などを直接感じやすいからです。

私の経験では、基本的な操作に慣れるだけでも最低半年ほどは必要だと感じます。もちろん習熟期間は作業内容や教育環境によって変わるため、これはあくまで私自身の現場経験から感じる目安です。

◆Makaの現場ワンポイント

NC旋盤ではプログラム通りに機械が動いてくれます。でも、加工音がおかしい、切粉の形が変わった、工具が逃げている、といった異変を判断するのは人です。汎用旋盤で削る感覚を経験しておくと、NC加工のトラブルを見るときにも役立ちます。

NC旋盤の特徴と用途

NC旋盤は、数値情報を使って刃物台などの軸を制御する旋盤です。現在はコンピュータを使うCNCが一般的ですが、加工現場ではまとめて「NC旋盤」と呼ばれることも多くあります。

繰り返し加工に向いている

NC旋盤では、一度プログラムと段取りを作れば同じ動作を繰り返せます。同じ部品を10個、100個と加工する場面では、この再現性が大きなメリットになります。

私もNC旋盤で丸材や鋳物を加工してきましたが、量産では「1個削れる」だけでは不十分です。同じ寸法を繰り返せること、工具交換のタイミングを決めること、切粉を安定して排出することまで含めて工程を作ります。

また、NC旋盤なら荒加工、仕上げ、溝入れ、ねじ切り、穴加工など複数の工具をプログラムで順番に動かせます。そのため人が付きっきりにならず加工できる工程も増やせます。

切削条件も加工結果を左右する

NC化されても、材料に合った切削条件を決める必要があります。鋼、ステンレス、アルミ、鋳鉄では同じ条件にはなりませんし、使用するチップや工具形状によっても変わります。

主に見るのは切削速度、送り、切込みです。条件を上げれば加工時間を短くできる可能性がありますが、工具寿命や加工面、びびりなどとの兼ね合いがあります。

切削速度と送りの考え方を詳しく知りたい場合は、切削速度と送り速度の違いを基礎から解説も参考にしてください。

量産ほど段取りの差が大きい

NC旋盤では、加工時間だけでなく段取り時間も重要です。工具を10本使う部品と3本で完結する部品では準備時間が違いますし、チャックの爪を毎回交換するのか共通化できるのかでも負担は変わります。

例えば1個あたり10秒短縮しても、10個しか作らないなら効果は100秒です。一方、1万個なら約28時間の差になります。逆に少量品では、加工時間を数秒縮めるより、段取りを30分減らすほうが効果的な場合もあります。

だから私は、旋盤を選ぶときに加工能力だけでなく「何個作るのか」「段取りを何回するのか」を必ず見ます。

タレット旋盤とはどんな機械か

「旋盤のタレットとは何か」を調べると、タレット旋盤とNC旋盤のタレットが混ざりやすいところです。似た言葉ですが、少し分けて考えると分かりやすくなります。

タレットとは回転式の刃物台

タレットとは、複数の工具を取り付け、必要な工具を加工位置へ切り替えて使用する刃物台です。円盤状や多角形状の工具取付部が回転し、外径バイト、溝入れ工具、ドリル、ボーリングバーなどを順番に呼び出します。

現在のNC旋盤では、このタレット式刃物台が広く使われています。

例えばT0101で外径、T0202で仕上げ、T0303で溝入れというように工具を切り替えれば、人が1本ずつ工具を交換する必要がありません。この仕組みがNC旋盤の自動加工を支えています。

タレット旋盤は連続加工向け

従来型のタレット旋盤は、複数の工具をタレットへ装着し、順番に割り出しながら同じ部品を繰り返し加工するための機械です。

例えば穴あけ、内径加工、外径加工と複数工程がある部品でも、工具をあらかじめセットしておけば交換作業を減らせます。NC制御が現在ほど普及していなかった時代には、同一部品を効率よく加工する方法として使われてきました。

現在では、その考え方の多くがNC旋盤や自動旋盤へ受け継がれています。そのため「タレット旋盤」と「タレット付きNC旋盤」は同じ意味ではありません。

タレット旋盤は機械の種類を表す名称として使われます。一方、NC旋盤のタレットは工具を取り付けて切り替える刃物台を指します。

2タレットなら同時加工も狙える

さらにNC旋盤には、タレットを上下などに2基備えた機種があります。機械構成とワーク形状が合えば、異なる場所を同時に削ったり、左右の主軸へ役割を分けたりできます。

ただし、タレットが増えるほどプログラムは複雑になります。工具同士、チャック、ワークとの干渉も確認しなければなりません。

回転工具を使うターニングセンタとの違いまで知りたい場合は、ターニングセンタとは?旋盤との違い徹底解説で詳しく解説しています。

大型旋盤と立旋盤の特徴

旋盤機械は小さなピンだけを削るものではありません。大型シャフト、ロール、大径フランジなどを加工するための大型旋盤もあります。

大型旋盤は大径や長尺に対応

大型旋盤という名称に統一された寸法基準があるわけではなく、一般には通常の旋盤では扱いにくい大径・長尺・重量ワークへ対応する機械を指して使われます。

長いシャフトでは、単に大きなチャックを付ければ済むわけではありません。ワークが長くなるほどたわみや振動が発生しやすくなるため、心押台、振れ止め、固定振れ止めなどを使いながら支持します。

大型になるほど、ワーク重量、チャック把握力、回転数、振れ、搬入方法まで考える必要があります。加工そのものより、ワークを安全にセットする工程の比重が大きくなる場合もあります。

立旋盤は重量物を載せやすい

大型の金属ワークを立旋盤で加工している日本の工場内の実写風イメージ
大径で重量のあるワークは、立旋盤が候補になることがあります

立旋盤は、主軸が縦方向に配置され、テーブル上へワークを載せて回転させる構造の旋盤です。

横形旋盤では大径・重量ワークを横向きに保持する必要がありますが、立旋盤ではワーク重量をテーブル側で受けやすくなります。そのため、大径フランジ、リング形状、ホイール形状などで選択肢になります。

ただし、立旋盤なら何でも大型加工に向くわけではありません。最大旋削径、最大加工高さ、積載重量、工具の届く範囲などを機種ごとに確認する必要があります。

構造や用途をさらに掘り下げたい場合は、立旋盤の特徴を徹底解説もあわせて確認してください。

長尺と大径では選び方が違う

同じ「大型ワーク」でも、直径が大きいのか、長さが長いのかで必要な機械は違います。

例えば直径1m近い円盤と、直径100mmで長さ3mのシャフトでは加工時の問題がまったく異なります。前者では回転できる直径や積載重量が重要になり、後者では芯出し、たわみ、振れ止め、ベッド長などが重要になります。

大型という言葉だけで選ばず、最大径・長さ・重量を具体的な数値で確認することが大切です。

5軸旋盤と複合加工機

検索では「5軸旋盤」という言葉も見かけますが、実際の機械では「5軸制御複合加工機」などの名称で扱われることがあります。

通常の2軸NC旋盤より動かせる方向が増えることで、旋削だけでなくミーリング加工まで一台にまとめられるのが特徴です。

5軸旋盤は軸構成を見る

一般的なNC旋盤では、主にX軸とZ軸を使って加工します。そこへY軸、主軸のC軸制御、工具主軸の傾斜に使うB軸などを加えることで、加工できる方向が増えていきます。

ただし、「5軸だから必ずX・Y・Z・B・C」というわけではありません。機械メーカーや機種によって軸構成や数え方が違うため、カタログを見るときは軸数だけで判断しないほうが安全です。

私なら、どの軸が動くのかどこまで同時制御できるのか工具主軸がどの角度まで傾くのかまで確認します。

工程集約が大きな目的

回転工具を備えた高機能な複合加工機で複雑部品を加工する日本の製造現場イメージ
複合加工機や5軸制御機は、旋削とミーリングを1台に集約しやすい設備です

例えば一般的なNC旋盤で外径を加工したあと、マシニングセンタへ移して横穴と斜め穴を加工する部品を考えてみます。

別設備へ移す場合、ワークを外し、運搬し、再び固定し、基準を取り直さなければなりません。複合加工機で一度の把握のまま加工できれば、この移し替えを減らせます。

これは単なる時間短縮だけではありません。つかみ直しによって発生する位置ずれを減らせる可能性があり、工程間仕掛品も減らしやすくなります。

◆Makaの現場ワンポイント

設備導入では「1台で全部できる」という言葉に目が行きやすいですが、私は工程表を書いてから考えます。今3台を通っている部品が本当に1台で完結するなら価値は大きいです。逆に旋削だけの単純部品なら、高機能な複合加工機を使う意味が小さいこともあります。

複合機が必要ない場合もある

多軸・複合加工機は便利ですが、すべての旋盤加工を置き換えるものではありません。

外径、内径、端面だけで完成する部品なら、一般的なNC旋盤のほうが工程を作りやすいことがあります。設備費だけでなく、工具、ホルダ、CAM、教育、保守まで考えると、必要以上に複雑な機械を選ぶメリットは小さくなります。

複合加工機の導入判断については、複合加工機とは?メリット・デメリット完全ガイドでも詳しく解説しています。

旋盤機械の選び方

ここまで種類を紹介しましたが、実際に旋盤を選ぶときは「どの機械が一番高性能か」ではなく、加工する部品から逆算して考えます。

最初にワーク形状を見る

最初に確認するのは、ワークがどんな形をしているかです。

一般的なシャフト形状なら横形旋盤が候補になります。大径で重量のある円盤なら立旋盤、小径の棒材を大量生産するなら自動旋盤というように、ワーク形状から候補を絞れます。

さらに、外径だけなのか、内径があるのか、深穴があるのか、横穴や斜め穴まであるのかを見ます。丸物だからといって、すべて通常の旋盤だけで完成するとは限りません。

次に生産数量を見る

同じ部品でも1個作るのか、毎月1万個作るのかでは最適な設備が変わります。

単品加工では準備の短さが重要になります。そのため汎用旋盤が便利な場面があります。一方、量産ではサイクルタイム、自動工具交換、材料供給、工具寿命管理などの価値が大きくなります。

棒材部品の大量生産なら、バーフィーダーとNC旋盤を組み合わせたり、自動旋盤を利用したりする方法も候補です。

必要工程を数えてみる

次に、完成までに何工程必要なのかを書き出します。

旋削だけで完成するなら一般的なNC旋盤。横穴や平面加工が数か所あるなら回転工具付きターニングセンタ。斜め穴や複雑なミーリングまで必要なら、B軸を持つ複合加工機などが候補になります。

ここで大切なのは、機械の軸数を増やすことではなく、工程を減らすために必要な軸を選ぶことです。

段取り回数まで考える

加工時間だけを見ると見落としやすいのが、つかみ直しです。

表側を加工してワークを外し、裏側を加工し、さらにマシニングセンタへ移すなら、そのたびに段取りと基準合わせが必要になります。

2主軸のNC旋盤なら、機械によっては第1主軸から第2主軸へワークを受け渡して裏面加工までつなげられます。複合加工機なら、旋削後の穴加工やミーリングまで同じ機内で進められる場合もあります。

私が旋盤を選ぶなら、「ワーク形状→生産量→必要工程→つかみ直し回数」の順番で確認します。この4つを見るだけでも、汎用・NC・ターニングセンタ・複合加工機のどれが候補になるか判断しやすくなります。

旋盤加工で忘れたくない安全

旋盤は非常に便利な工作機械ですが、ワークそのものが高速で回転するため、安全確認を欠かせません。特に巻き込まれは重大事故につながる可能性があります。

回転物には触れない

加工中のワーク、チャック、回転部へ手を近づけないことが基本です。寸法を測る、切粉を取る、調整するといった作業は、機械を安全に停止させ、回転が完全に止まっていることを確認してから行います。

また、手袋を着用したまま回転物へ触れる行為は危険です。手袋が引っ掛かると手を離す前に巻き込まれる可能性があります。

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」にも、旋盤で回転する部品に研磨材を当て、軍手を着用していた作業者が巻き込まれた災害事例が掲載されています。(出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害事例」)

旋盤作業では、使用する機械の取扱説明書、勤務先の安全基準、作業手順を必ず優先してください。回転中のワークやチャックへ触れず、測定・清掃・調整は安全な停止状態を確認したうえで行います。

保護具も作業に合わせる

旋盤では切粉が飛散する場合があるため、作業内容に応じて保護メガネや安全靴などの保護具を使用します。

一方で、保護具は何でも着ければ安全になるわけではありません。回転機械では服装のだぶつき、袖口、長い髪、装飾品などが回転部へ巻き込まれないよう注意が必要です。

安全は「慣れたから大丈夫」ではなく、毎回同じ確認を続けることが大切。旋盤経験が長くなっても、ここは変わりません。

旋盤の種類に関するFAQ

最後に、旋盤の種類を調べるときに出てきやすい疑問へ回答します。

旋盤の種類に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 汎用旋盤とNC旋盤はどちらがいいですか?

A. 用途によって変わります。単品、補修、試作、教育では汎用旋盤が使いやすい場面があります。同じ部品を繰り返し加工する場合や、自動化・再現性を求める場合はNC旋盤が候補になります。私は機械の優劣ではなく、生産数量と段取り時間で考えるのがおすすめです。

Q2. 旋盤のタレットとは何ですか?

A. 複数の工具を取り付け、必要な工具を加工位置へ順番に切り替える刃物台です。現在のNC旋盤では、外径バイト、溝入れ工具、ドリル、ボーリングバーなどをタレットへ装着して自動交換します。なお、「タレット旋盤」という機械名称と「NC旋盤に付いているタレット」は分けて考える必要があります。

Q3. 5軸旋盤とはどんな旋盤ですか?

A. 一般には複数の直線軸と回転・傾斜軸を組み合わせ、旋削とミーリングなどを一台で行える工作機械を指して「5軸旋盤」と呼ぶ場合があります。実際の商品では5軸制御複合加工機などの名称が使われます。軸構成は機種によって異なるため、軸数だけでなくX・Y・Z・B・Cなど何を制御できるか確認することが重要です。

Q4. 大型旋盤は何mmから大型ですか?

A. 「何mm以上なら大型旋盤」という共通の区切りで判断するのは難しいです。機種ごとに最大加工径、芯間距離、最大加工長、積載重量などが設定されています。加工したいワークの直径・長さ・重量を確認し、メーカー仕様と照らし合わせて判断してください。

Q5. 複合加工機ならNC旋盤は不要ですか?

A. いいえ。旋削だけで完成する部品では、一般的なNC旋盤のほうが工程を作りやすい場合があります。複合加工機が活きるのは、旋削後に横穴、平面、斜め穴、ミーリングなど複数工程があり、別設備への移し替えを減らせる部品です。高機能な設備を選ぶより、加工内容に必要な機能を選ぶほうが実用的です。

旋盤の種類まとめ

旋盤には汎用旋盤、NC旋盤、タレット旋盤、自動旋盤、立旋盤、大型旋盤、ターニングセンタ、複合加工機などさまざまな種類があります。

名称が増えると複雑に感じますが、判断の基準はそれほど難しくありません。

  • 単品・補修・教育なら汎用旋盤
  • 繰り返し加工・量産ならNC旋盤
  • 小径部品の大量生産なら自動旋盤
  • 大径・重量物なら立旋盤
  • 大径・長尺ワークなら大型旋盤
  • 横穴や回転工具加工ならターニングセンタ
  • 多工程を一台にまとめるなら複合加工機
  • 複雑な多面加工なら5軸制御複合加工機

そして私が一番伝えたいのは、旋盤は「新しい機械を選ぶ」のではなく、「ワーク形状・生産量・必要工程・段取り回数に合う機械を選ぶ」ことが大切だということです。

単品を1個削るなら汎用旋盤が合理的なこともありますし、同じ部品を何千個も作るならNC化や自動化の価値が大きくなります。さらに複数設備を行き来する部品なら、多軸化や複合加工によって工程そのものを変えられる可能性があります。

旋盤の種類を比較するときは、機械の軸数やカタログ上の機能だけを見るのではなく、「この部品を完成させるまで、何回つかみ直すのか」まで考えてみてください。設備選びの見え方がかなり変わってくるはずです。

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